1.調査目的
「21世紀の国土のグランドデザイン」では、地域の自立的発展のためには、国土に複数の「広域国際交流圏」を形成すべきとしている。本調査においては、地域経済に大きな影響を及ぼす物流関連を検討の中心として、広域国際交流圏の形成のための地域整備方策を検討した。なお、本調査は、国土庁の他、運輸省、建設省と共同で、平成10年度、11年度の2ヶ年に渡り国土総合開発事業調整費により実施したものである。
2.調査手法
物流の担い手であるユーザーサイドの視点に立ち、最新の外貿コンテナ貨物のデータ、コストや時間要因等の分析、荷主等のヒアリングを通じて、地域整備方策の検討を行った。
調査の実施に当たっては、学識者・行政関係者からなる「広域的な物流圏の形成に資する地域整備方策調査委員会」を設置し、その指導のもとに行った。
3.広域物流圏
広域の国際貨物需要を地域で集約することにより自立的な国際物流システムを形成する「広域物流圏」を提案した。
広域物流圏は、
@東アジア航路に加えて北米基幹航路を視野に入れた中核国際港湾
A地域ブロック程度の広域から貨物を集約することのできる道路ネットワーク
B物流拠点や工業団地等の生産・消費拠点
から構成される。
広域物流圏の形成は、地域活性化策として重要であるばかりでなく、地域物流システムの効率化を促進することにより、投資効率の向上、環境負荷の軽減においても有効である
4.連携整備方策
広域物流圏を形成するための連携整備方策として、次の7つの方策を提案した。
@中核国際港湾機能の拡充
A地域の生産・消費拠点と中核国際港湾とを結ぶ広域的な道路ネットワークの形成
B主要道路と近接した内陸物流拠点の整備と活用
C国際海上コンテナ輸送の効率化に資する規制緩和
D広域物流圏の形成に資する助成・補助の活用
E広域的なポートセールスの展開
F輸出入業務に係る企業や人材の育成
これらの方策の推進により広域物流圏が形成することは、効率的な物流ネットワークの形成を通じて、地域の自立的発展を促進し、環境負荷を軽減することが可能となるものと考える。
5.委員名簿
(委員長) 家田 仁 東京大学工学部土木工学科 教授
(委 員) 根本 敏則 一橋大学商学部 教授
林 克彦 流通科学大学商学部経営学科 助教授
山崎 朗 九州大学経済学部 助教授
渡邉 豊 東京商船大学流通管理工学講座 助教授
要 旨 (PDF: 9 KB) (HTML)
報告書概要編 (PDF: 314 KB)
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